アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~崔启洋さん(中国出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回のゲストは中国出身の崔(さい)さんです。呉市内で中国を中心としたアジアの食材を取り扱うお店を経営されています。呉市の外国人の人口事情やニーズ調査など,綿密なリサーチをされて出店をされたそうです。今回はお店にお邪魔し,若きビジネスマンにアレコレ聞かせていただきました。(インタビュー回答日:9月28日)

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
名前:崔 启洋(さい けいよう) (32)
出身:中国 黒龍江省(こくりゅうこうしょう)
母語:中国語
来日:2012年12月
日本語レベル:上級

Q:呉市でお店を出されるまでの経緯を教えてください。

来日当初は日本語の勉強のために福岡県の日本語学校に通いました。その後マクロ経済やビジネス通訳を学ぶため大阪の大学に入学しましたが,妻と出会い,結婚・出産と人生のビッグイベントがあり,中退しました。2018年8月からは,広島市で技能実習生の受入をサポートする組合で通訳の仕事をしました。そのころから,呉市内のマーケットについてリサーチを始め,昨年12月に呉に移り店をオープンしました。

Q:お店を開くためにどんなリサーチをしましたか?そのとき,どんな人が助けてくれましたか?

まず,インターネットで調べて,呉市内には中国の食材を取り扱う店が無く出店の余地があると思いました。また,技能実習生やアジアの外国人が多く暮らしていて,少子高齢化が進む中,さらに外国人材の受入が拡大することが予想され,購買ニーズも十分にあるとみて,決心しました。出店にあたっては,行政書士さんからアドバイスをいただくなど,色々サポートしていただきました。

Q:お店に来られるお客さんは,どんな国籍の方がおられますか?

中国人はもちろん,日本人,ベトナムやインドネシアのお客さんも来られます。ベトナムやインドネシアの人とは,基本的には日本語で,難しい場合は英語でコミュニケーションを取ります。

(写真:色鮮やかなパッケージの食品が並ぶ店内)

Q:先日お子さんが保育園に通い始めたとのことですが,呉市で子育てするうえで,何か不安なことはありますか?

これまで家庭では中国語で生活をしてきたので,保育園で過ごす時間が増えることで,日本語の壁にぶつかる日が来ると思います。両親とも中国人ですので,中国語や文化を継承しながら,日本での生活に不可欠な日本語も上手く習得してほしいと思います。

Q:呉で暮らしてみて,いかがですか?

私の出身の黒龍江省は,中国の東北部に位置し,ロシアに接する寒い地域です。一方,呉は温暖で,静かでとても住みやすい町だと思います。また,黒龍江省は海が無いので,海が見える呉の風景はとても新鮮に,そして美しく感じます。ただ,これまで暮らした福岡や大阪,広島と比べて,交通面で少し不便を感じます。

Q:お店は繁盛されている様子ですが,今後さらなるビジネス展開を考えておられますか?

まだオープンして間もないので,まずは今の商売をしっかり安定させること,いずれは店の余剰スペースを使って,テイクアウトのできる飲食業も始めたいと思っています。

【2023年追記】現在お店は崔さんから別オーナーさんに変わられ,店名も変更となっております。(2023年現在もアジア食材のお店です。)


呉市役所で毎週日曜日に開催されている「にほんごサロン」の学習者も利用している崔さんのお店。「呉市で暮らす外国人(もちろん日本人も)の台所として,さらに様々な国の商品を取りそろえたい」と意気込んでおられる崔さん,市内在住外国人から頼りにされるキーパーソンとしての才覚も垣間見えました。崔さんの今後ますますのご活躍を期待しております!

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