アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~ハンさん(ベトナム出身)シスカさん(インドネシア出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は毎週木曜日に国際交流センターで開催されている日本語学習教室「一期一会(いちごいちえ)」にお邪魔しました。現在,ベトナムとインドネシアの学習者さん,そしてボランティアの岩田先生の3人で,毎週楽しく日本語を学習されています。教室のみなさんにアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:12月2日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
グェン シ キム ハン さん(40)…(写真左下 文中略称:
出身国:ベトナム 母語:ベトナム語
在日年数:7年
やりたい事:生活のための日本語を学ぶ

小谷 シスカ さん(40)…(写真右下 文中略称
出身国:インドネシア 母語:インドネシア語
在日年数:11年
やりたい事:国籍に関係なく多くの友達を作る

岩田千賀子 先生(日本語ボランティア)…(写真上 文中略称:

Q:岩田先生,この「一期一会」について,どんな日本語教室か教えてください。

:私がこの教室を引継いで5年になりますが,開講当初は働いていない人が多く,この平日午後の教室でもたくさんの学習者さんがおられたようです。みなさん仕事を始められて今は少ない人数でやっていますが,日本語学習とともに,生活のしんどい部分を共有し,みんなで支え合うグループとして細く長く続けています。基本楽しく会話をすることで,日本語を話す機会を増やし,日常の困りごとも話し合えるアットホームな場所でありつづけたいと思います。

Q:ハンさん,シスカさんにとってはどんな教室ですか?

大切な場所で,なくなると困ります。日本語を学ぶだけではなく,生活に関する様々な情報を得られます。何よりもよかったのは,友達ができたことです。
日本語を学んで,日本語でつながることで違う国の人とでも友達になれました。今は教室に来られない人もいますが,変わらず友達です。私にとって大切な居場所です。
コロナ禍前は,お花見や紅葉狩り,忘年会など,季節ごとの行事をとおして日本文化に親しみ,親睦を深め合う機会を持っていました。シスカさんの姪御さんがインドネシアから来られたときは,教室で姪御さんに着物の着付けをして市役所の周辺を歩いてもらうなど,日本の文化にも触れる体験もしてもらいましたね。

Q:日本で暮らし始めたころ,何か困ったことはありましたか?

言葉がわからない状態で色々なことを自分でやるのが大変でした。何をするにも誰かのサポートがないとできませんでした。
日本語を学ぶ必要があると思い,この教室に通い始めました。話せるようになったことで世界は大きく広がりました。

Q:呉市で暮らしてみて,いい所,不便なところはどこですか?

子どもの教育環境がとてもよいと思います。また近所の人はみんなとても優しくしてくれるので,それもいいところだと思います。日本語でのコミュニケーションが十分にとれない時があるので,たまに不便を感じます。(病院に行く時,書類を書く時など)
いいところは勉強できる場所,相談できる場所があるところです。不便なのはインドネシア語による情報が少ないことです。災害のときは,日本語のお知らせはたくさん出ますが,難しい言葉は理解できないです。警報が出たとき,自分がいる場所がどれくらい危険なのかわかりません。また,私は出産を控えていますが,子どもが生まれるまでの準備や手続き,相談場所などの情報が少ないです。母語で見たり,聞いたりできる情報がもっとあればいいと思います。

Q:本国から友人や家族が来たら,どこに連れて行き,何を食べてもらいたいですか?

大和ミュージアム,温泉,平和公園に連れて行きたいです。しゃぶしゃぶを食べてみてもらいたいです。日本には調味料の種類がインドネシアとは比べ物にならないほどたくさんあるので,それらの味も楽しんでもらいたいです。(インドネシアでは,ハーブ類が豊富で料理によく使われるようです。)
昨年までベトナムから母が来ていて,長い期間呉に滞在していました。その間,宮島や平和公園に母を連れていきました。母は肉じゃがや,きんぴらごぼうが気に入っていましたよ!

岩田先生は「第二のお母さん」。

Q:「とらいあんぐる」読者のみなさんにメッセージをお願いします。

知らない人同士でもコミュニケーションを取ることで,互いを分かり合えると思います。私たちも外国人である前に呉市で暮らす市民です。どうか,「外国人だから日本語がわからないかも」と遠慮せず,ぜひ気軽に私たちに話しかけてください。


日本語の学習だけでなく,「居場所」としての「一期一会」さん。家族のように支え合う,「なくてはならない場所」としてこれからも活動が続いていくよう,私たちも応援します!ハンさん,シスカさん,岩田先生,本当にありがとうございました。

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