アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~チャンさん(ベトナム出身)編~

呉市で暮らす外国人は,呉市の全人口の1.46%を占めています。それぞれ仕事や家庭を持ち,私たちと同じような生活の営みを持つ呉市民の一員です。
そんな外国人市民の皆さんは,日本のこと,呉のこと,どんな風に思っているのでしょうか?日本で暮らすことになったきっかけは?日本と母国の違いってなに?
市役所で毎週日曜日に開催している「にほんごサロン」で日本語を学習する,ベトナム出身のチャンさんが,私たちの「アレも聞きたい,コレも聞きたい」に,たくさん答えてくれました。

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
名前:チャン ティ ビック ダオ(31)
出身:ベトナム
来日:2016年10月ごろ
日本語レベル:日本語能力検定2級

Q:日本に来て3年程ですが,今の日本語レベルに達するまでにどのような学習をしましたか?

初めはベトナムの有名な日本語センターで勉強し,日本語能力検定4級の試験を受けましたが不合格でした。
それでも日本で働きたい気持ちが強かったので,岐阜県多治見市で,まずは英語を使う仕事に就きました。働きながら独学で3級に合格しました。
2級を目指して勉強している時,呉市出身の夫と出会い結婚,呉に移り住みました。その後2級に合格しました。
現在は「にほんごサロン(市役所で毎週日曜日開催)」で1級の勉強中,週1回だけでは足りないので,自宅でも勉強し,分からないからないところを「にほんごサロン」のボランティアの先生に教えてもらっています。先生方にはとても感謝しています。

Q:今ほど日本語が話せなかったとき,どんなことが一番困りましたか?

多治見市で仕事をしていた時は,先輩に仕事のやり方,注意すべきこと,失敗した時にはその原因なども説明されましたが,言葉がわからないせいで何度も同じ失敗し,恥ずかしかったです。当時の仕事はルールが細かく厳しかったので先輩も上手く伝わらないことに困っているようでした。
職場の同僚や,日本人とも友達になりたかったけど,言葉が上手く理解できませんでした。例えば「外食しようよ。日曜日空いてる?」と聞かれましたが,「空いてる」の意味がわからず,最初は何も答えられませんでした。(誘ってくれた人は)とてもやさしい方だったので,何度も同じ言葉で話しかけてくれました。私も翻訳アプリを使って少しずつコミュニケーションが取れるようになりました。そのうちに次第に相手も言葉も理解できるようになり,友達もできました。

Q:チャンさんは,週2~3日呉市内の飲食店でアルバイトをしています。今のアルバイトはどのようにして見つけましたか?

ハローワークの存在を知らなかったので,フェイスブックで「アルバイト」を検索し今のアルバイト先を見つけました。店長に直接メッセージを送り,面接を受け,採用していただきました。私はある程度日本語が理解できるので,フェイスブックでアルバイトを見つけることができました。でも来日したばかりの外国人は,ハローワークで仕事を探した方がいいと思います。ハローワーク呉のフェイスブックページがあればいいなと思います。

Q:アルバイト先の同僚や先輩と,コミュニケーションのトラブルはありますか?

アルバイトを始めたばかりの頃は意思の疎通でトラブルはありました。
日本語能力検定1級を目指すレベルになっても,日本で働く上でわからない言葉がたくさんありますし,方言で話されると分かりません。だから,料理のメニューはベトナム語に訳してメモしています。ベトナムに該当するものがない日本特有の料理は,日本名で覚え,材料や調理方法をメモして理解するようにしています。日本酒はとても大変で,スマホで酒瓶を写真を撮って,名前と見た目を記憶しました。それでも,「しろ」というお酒を注文されて,「しお」と勘違いし,「塩水が飲みたいのかな?」と先輩に確認したら,「しろ」だとわかり,お客さんも大笑い,とても恥ずかしかったです(*^_^*)
わからないことはたくさんあるけど,とにかく何か返事をしたり,間違っていても答えたりするようにしています。コミュニケーションにはそれが大事だと思います。

Q:呉は好きですか? どんなところが好きですか?

呉は綺麗で安全なところが好きです。でも外国人が仕事を探すのは大変かもしれません。言葉の問題もあるし,その仕事に則した専門的な知識も勉強する必要があります。呉に長く住んでいる人は呉がどんな産業が盛んで,その中から自分に見合った仕事を見つけることができるが,日本に来たばかりの外国人にはわからないと思います。

Q:日本とベトナムの大きな違いは何ですか?

違いはたくさんあると思います。日本は島国ですし,歴史も違います。
教育についても,日本の学校では国語(日本語)と英語しか学びませんが,ベトナムでは最近は様々な言語やその文化を学ぶことができます。その一方で,ベトナムには最近までクラブ活動というものがなく,授業が終わればすぐ帰宅していました。クラブ活動がある日本の学校はいいな,と思いました。
習慣の違いについては,食生活の面で強く感じます。ベトナムでは日本の天ぷら,とんかつなど,「脂っこい食べ物は体に悪い」と教科書に書いてあるので,あまり食べません。ただ,最近では様々な国の料理を食べられるようになったことで,ベトナムの食生活は変わりつつあります。
仕事については,日本では上下関係が厳しいイメージがあります。ベトナムでは目上の人は敬いますが,先輩後輩関係は日本ほど厳しくありません。年功序列も無く,実力のある人が勤続年数に関係なく昇進します。また,転職することはベトナムではキャリアアップとなります。
最後に考え方の違いですが,私は節水に気を使っていますが,夫はジャバジャバ水を使うので,そんな夫に腹が立ちます。これは,日本とベトナムの違いではなく,夫婦間の考え方の違いかもしれません(笑)。

Q:呉市にはベトナム人が多く住んでますが,チャンさんほど日本語が話せない人がたくさんいます。そういった人たちが呉で暮らしやすくなるためにはどのようなことが
必要だと思いますか。(市民や行政,国際交流センターができること)

これまであまり考えたことがなかったが・・・多言語生活情報紙(呉市国際交流協会で偶数月に発行)は情報量が少ないと思います,またベトナム人はフェイスブックをよく使うので,ベトナム語によるフェイスブックからの情報発信を強化して欲しいです。今の国際交流協会のフェイスブックでは日本に来たばかりのベトナム人は読めないと思います。多言語による生活情報が協会フェイスブックページから頻繁に発信されることによって,呉市の国際交流協会は活発に活動しておることがわかり,外国人は嬉しいと思います。
「呉市国際交流協会」という組織名自体も多言語表記してくれると,フェイスブックで検索しやすいと思います。まずは協会の存在を知らなくては,国際交流センターに来ることもできません。
 私のようにある程度日本語ができる人は,困ったことがあっても解決する方法を見つけることができますが,一番困っているのは来日したばかりの人たちです。そういった人たちが助けてもらえる場所になること,そういった人たちと「つながる」ことが大事だと思います。


私たちがたずねるひとつひとつの質問に,一生懸命答えてくださったチャンさん,
外国人目線ならではのご意見をたくさんいただきました。本当にありがとうございま
した!!