アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~マルセロさん(ブラジル出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は東部地区外国人総合相談窓口(広市民センター4階)にお邪魔し,そこで活躍されている外国人相談員さんに会ってきました。窓口が開設されてまもなく1年,お仕事のことプライベートのことなどアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:4月22日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
名前:マルセロ ピエトラロイアさん(59)
出身:ブラジル
母語:ポルトガル語
来日:1994年6月
好きな日本の芸能人:志村けん
好きな日本の食べ物:すき焼き,お好み焼き

Q:27年前に来日された頃のことや,日本語習得方法について教えてください。

来日当初に感じた日本の印象は「治安が良い」でした。ブラジルとは比べ物にならないくらい安全な国です。その印象は今も変わりません。日本語は,ほぼ独学でした。テレビのニュースでは,言葉を聞いて覚えたり,映像の字幕を見て漢字を勉強したり,そこから学ぶことが非常に多かったです。来日3年目には,(当時住んでいた)岡山の国際交流センターの日本語教室にも参加しました。また,子どもの学校入学に伴い,日常生活の様々な場面で日本社会とのつながりが増え,日本語が必要なシーンも増えたことは,日本語学習の重要なモチベーションとなりました。

Q:マルセロさんの呉の一番のお気に入りを教えてください。

現在広在住ですが,生活で必要なものが何でも揃っているので,便利な町で気に入っています。また,海が大好きで,海が見える風景も気に入っています。

Q:マルセロさんのお袋の味は何ですか?

お袋の味とは言えないかもしれませんが,私は甘いものが大好きで,ブラジルでは日系のパン屋さんやお菓子屋さんによく行きました。今は広交差点付近のパン屋さんによく行っています(笑)

Q:お休みの日や,空いた時間はどのように過ごしておられますか?

音楽活動です。来日3年目から日本でのバンド活動を始めました。仕事があり家族もいる,それだけでも十分幸せな日々ですが,日本で音楽活動ができることには本当に感謝とリスペクトを感じています。

実は「第3回国際交流フェスタinくれ」にも出演!の彼は,ラテン音楽バンドでパーカッショニストとして活動。コロナ自粛期間もたくさんの楽器を全てひとりで演奏・編集した「一人アンサンブル動画」を作る「NO MUSIC NO LIFE」なアーティスト。

Q:東部地区相談窓口が開設されてまもなく1年です。相談業務に携わるなかで,様々な相談事例に対応されたと思います。外国人の立場として行政や地域の人にお願いしたいことはありますか?

業務に携わる中で,日本政府は在住外国人向けに,子育てや労働,福祉に関する相談窓口など様々なサービスを提供していることを知りました。地域の日本語教室や国際交流センターもそうです。逆に,在住ブラジル人の中にはこういったサービスを知らない人も多いです。私は,行政は在住外国人のために努力してくれていると思います。であれば,ブラジルの人たちも生活に必要な日本語を身につけ,行政サービスについても知ってほしいし,地域の人たちと共生する意識を持って欲しいと思います。そのためには,互いの文化を知る機会が大切です。

Q:地域の日本人と外国人の「つながり方」について,呉市の課題は何だと思いますか?

かつて日系ブラジル人は,日本で数年出稼ぎをして帰国していましたが,母国の治安への不安や,子どもが生まれ生活基盤が日本に移ったことから,そのまま日本に根付いた人も多くいます。1990年の入管法改正()当時に来日した人たちの中には,日本語を満足に話すことができないまま,すでに高齢者世代となっている人たちもいます。今後は在住外国人にも高齢化の波が訪れるでしょうし,そういった人たちのケアに重点をおいてほしいと思います。

※この改正により,「定住者」の在留資格が創設され,日系3世まで就労可能な地位が与えられました。これにより、主にブラジル、ペルー等の中南米諸国から「日系人」の入国が容易になり、来日数も増加しました。

東部地区外国人相談窓口(広市民センター4階) 電話:0823-76-3370

 言語

窓口と相談できる時間 
 ポルトガル語・英語

 月・火・木・金曜日 9:00~17:00

土曜日 10:00~18:00


インタビュー当日は,ご自身の音楽活動の資料を拝見しながら語っていただき,予定のインタビュー時間もオーバーしてしまったのですが,ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださる,とってもナイスガイなマルセロさんでした。これからも東部地区外国人総合相談窓口の顔としてご活躍されることを期待しております。

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