アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~イヴリさん(カンボジア出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は呉工業高等専門学校(呉高専)で,3月に卒業を控えた留学生に会いに行ってきました。3年間の呉高専における学校生活を間もなく終えるにあたって,今思うこと,これからのことなどアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:2月21日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
名前:チュム イヴリ さん
出身:カンボジア・プノンペン
母語:クメール語
好きな日本の有名人:藤井風,村上春樹
好きな日本の食べ物:とんこつラーメン

Q:3年間の呉高専での生活が間もなく終わります。今の気持ちを聞かせてください。

たった3年間しか過ごしていない呉ですが,地元のように感じます。カンボジアの都会で育った僕にとって,呉は自然豊かでありながら,生活面の便利さもあって暮らしやすい街です。離れるのは寂しいですが,また絶対戻ってきたいと思います。

Q:呉に初めて到着したときの感想や,そのころ困ったことを教えてください。

呉に来た日は,2019年3月26日でした。まず一番に思ったことは「海がある!」でした。カンボジアは一部の地域は海に面していますが,日本のように海に囲まれてはいません。ここ(呉高専)からだと,自転車で行くことができます。僕は海が大好きなので,本当に嬉しかったです。
困ったのはやはり言葉です。来日当初の日本語のレベルはほぼゼロでした。東京の日本語学校で学びましたが,学校では生徒が理解できるようにわかりやすく話されていたんだと思います。なので,駅のアナウンスや日常生活で触れる日本語はまったく違い戸惑いました。それでも1年間頑張って勉強し,日本語能力試験の2級を取って呉高専に編入学しました。編入学当初はある程度日本語に自信があったのですが,授業や学生と会話するときに,改めて難しさ(特にアウトプット)を感じました。また,広島弁は学んだ標準語と違うので,最初はわからなかったです。

国際交流フェスタでも大活躍!(右から3人目)

Q:学校生活で最もよかったこと,苦労したことを教えてください。

よかったのは高専祭です。カンボジアの大学の文化際もコンサートやゲーム,様々なブースがあり,それに似た雰囲気がとても懐かしく,嬉しかったです。留学生同士で旅行したことも良い思い出です。苦労したのは日本語での学習です。僕の専攻科目は,多くの専門用語を覚える必要がありましたし,卒業研究のような,アカデミックな内容の論文では,どこから書き始め,どんな風に書けばいいのか,接続詞の使い分けなど,本当に大変でした。それでも先輩や先生の指導やアドバイスのおかげでなんとか書き終えることができました。(インタビューの3日前に卒業研究発表会を終えたばかり)

呉高専の小倉先生と

Q:イヴリくんは間もなく呉を離れ,北海道で新たな生活が始まりますね。これからの将来についての思いを教えてください。

北海道大学の環境社会工学部の3年生に編入し,橋や道路建設に関する研究をしたいと思います。可能であれば大学院に進みたいと思っています。その後,チャンスがあれば日本企業の社員として,カンボジアのインフラ整備に携わる仕事に就き,母国に貢献したいです。

Q:カンボジアの家族や友達が日本を訪れたら,どんなものを食べてもらいたいですか?逆にイヴリくんが帰国したら食べたいカンボジア料理はなんですか

東京を案内したいです。食べ物はいろいろな味のラーメンを試してもらいたいです。寿司もぜひ食べてほしいです。カンボジアにも寿司はありますが,魚の鮮度の違いなのか,全く味が違います。カンボジア料理で食べたいのは,「サムロー コァコー」という野菜と肉のスープです。呉では手に入りにくい食材があり作れないので,カンボジアに帰ったら絶対食べたいと思います。

Q:最後に呉市で暮らす外国人住民のみなさんにメッセージをお願いします。

呉市は暮らしやすく,とても魅力的な街です。いつか呉を離れなくてはいけない人がいたら,「呉にいる間にその魅力を十分楽しんで!」と言いたいです。


これまで,協会のイベントにも数多く参加してくれた市内在住の唯一のカンボジア人(2022年2月時点)イヴリくん。勉強や学校生活,アルバイトに明け暮れた呉での生活が終わり4月から新生活が始まりますが,いつか必ず「地元」である呉に戻ってきてくださいね。待っています!

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