アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~ズンさん フンさん(ベトナム出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は市内のベトナム料理店で働くズンさんと,夫のフンさんにZoomで話をお聞きしました。2歳の息子さんを育てながらの仕事のこと,日本語の勉強のこと,将来のことなどアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:4月25日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
グエン ティ ズン さん(28)市内ベトナム料理店勤務
ハー ヴァン フン さん(29)ズンさんの夫
出身国 / 母語:ベトナム / ベトナム語
好きな日本の有名人:安倍晋三元首相(ベトナム来訪歴があることから)
好きな日本の食べ物:お好み焼き(ズン),焼き肉・お寿司(フン)

Q:ズンさんは現在,市内のベトナム料理店で週に二日アルバイトをされていますが,仕事で一番大変なこと,逆に「嬉しい・楽しい」と思えることは何ですか?

ズン(敬称略):大変なことは,「言葉の壁」です。アルバイトを始めたころは,接客が怖く,日本人オーナーともあまり話せませんでした。そんな中,周りの人たちに助けてもらい,今はお店のこともわかってきたので,楽しく仕事をしています。楽しいことは日本語のリスニングの勉強になることです。慣れてくると,お店で耳にする言葉で頻繁に使われているフレーズに気付くので,意味を調べて覚えています。そうしているうちに,はじめはとても難しく感じた日本語のメニューも,覚えることができました。


ベトナム料理店で働くズンさん

Q:ズンさんは子育てをしながら,日本語の勉強もしていますね。自宅(音戸町)から通える場所には日本語教室が無いですが,ひとりでどのように日本語を勉強していますか?

ズン今はオンラインで日本語の勉強をしています。オンライン学習の利点は,自分の都合で好きな時間に勉強できることです。難点は,先生に直接質問ができないことや,一緒に勉強する仲間がそばにおらず,リスニングや会話の力がなかなか伸びないことです。

Q:おふたりの故郷はどんなところですか?日本の生活との大きな違いは?

ズンフン(敬称略):私たちは,(地域は違いますが)ベトナム北部出身です。農業が盛んで主に米やライチを生産しています。故郷は田舎なので,食料品はスーパーマーケットではなく,市場で買います。また,ご存じかと思いますが,バイクがとても多く走っていて,日本の道路交通の風景とは大きく異なっています。ベトナムでも都会には電車が通っていますが,私たちの故郷にはありません。

Q:呉市で生活をする上で,困ることや,大変なことはありますか?

フン私は,呉に来る前は広島国際学院大学の留学生でした。日本には長くいますが,日本語がまだまだ未熟なのか,いまだに言葉の壁や,習慣への慣れなさを感じます。(※フンさんの日本語は,実際はかなり流ちょうです。)
ズンベトナム人には日本の冬は長く,寒く,つらいです。たくさん着こんでます。また,コロナの影響で簡単にはベトナムの家族に会いに帰れず,時々寂しくなります。

Q:息子のアン君の子育て・教育について,不安はありますか?

ズンずっと日本で育てていくつもりですが,息子のことを日本語で保育園の先生に相談するのは難しいです。先生には簡単な日本語で話してもらったり,連絡ノートを夫に訳してもらったりしています。
フン息子は家ではベトナム語,保育園では日本語を話していますが,本人が混乱しないか不安です。両方の言語をネイティブレベルでコミュニケーションが取れるようになるためには,本人はもちろん,私たち親も努力が必要です。学校に行くようになって,差別やいじめを受けないかも,心配しています。

Q:ベトナムの家族や友人には,呉や広島のどんなところを案内したいですか?

ズンフン大和ミュージアム,宮島や平和公園を案内したいです。そして,お好み焼きやお寿司を食べてもらいたいです。ベトナムの日本食レストランにもお寿司はありますが,やはり日本で食べてもらいたいです。

Q:呉市や地域の人へのお願い,呉市で暮らす外国人住民へメッセージはありますか?

ズンフン日本の人は外国の人に,なるべく標準語(日本語の教材は標準語なので)で,ゆっくり話してくれるとわかりやすく,ありがたいです。外国の人へは,日本の生活では,日本語を話せることが一番大切と伝えたいです。呉市には魅力的なところがたくさんあります。日本語の勉強を頑張って,呉市の生活を充実したものにしていきましょう。


今回,日本語初級者のズンさんのベトナム語でのお話を,夫のフンさんが通訳してくれました。お子さんが呉市ですくすく成長されることを望んでおられる様子がよく伝わって
きました。「色々な国の人の外見,言語や文化などを互いに認め合い,みんなが暮らしやすい社会をつくろう!」という意識が学校で芽生え,差別やいじめのない地域となるよう,私たちも啓発などに取り組んでいきたいと思います。

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