アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~マークさん(カナダ出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は協会職員に代わり呉市国際交流員のエミリーがカナダ出身で広島県ALT(外国語指導助手)のマークさんの勤務先(呉宮原高校)を訪問し,日本とカナダのこと,将来のことなどアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:5月30日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
名前:マーク ウィリアム ジョセフ ヘツ さん
出身:カナダ・グリーンウッド
母語:英語
好きな日本の有名人:渡辺謙,MIYAVI,Gackt
好きな日本の食べ物:たこ焼き
趣味:写真,料理,サイクリング,ゲーム,読書

Q:カナダの一番好きなところは何ですか?

人と人がつながりやすいところです。カナダの人は誰とでも,例えば電車やバスなどで出会った見知らぬ人とでも気軽に会話をします。ある日私が偶然居合わせた人は,サウジアラビアの王族に会ったことのあるという神経学者でした。このように簡単に人とつながれることで,思いも寄らない会話を楽しめるのがカナダのステキなところだと思います。

Q:日本の人にカナダについて知ってもらいたいことは何ですか?

カナダの人はとても親切です。例えば,あなたがカナダで現地の人とドアですれちがうとき,カナダの人は見知らぬあなたに対しても,ドアを押さえて中へ入れてくれます。また,カナダの国土は広大で,私の地元の東部地域からは,バンクーバー(西海岸)へ行くよりも,海を越えてイングランドに行く方が近いです。さらに,カナダは世界中から移民が集まる国で,多文化主義の国として知られています。

Q:日本に来ることとなったきっかけは何ですか?

4歳の時,アニメの「美少女戦士セーラームーン」をきっかけに日本に興味を持つようになりました。赤い鳥居などの美しい場面に魅了されました。その後,J-Rockに興味を持つようになり,いつか日本に住みたいと思うようになりました。日本に来る前は,抗癌と抗菌の研究をする科学者として働いていましたが,研究の仕事はとても孤独でした。この状況を変えるために,転職を決意し日本に来ました。教えることの楽しさに気づかせてくれた今の仕事にはとても満足しています。

Q:日本の一番好きなところは何ですか?

交通システムです。私の地元はカナダでもかなり田舎ですので,日本には(マークさんの地元にはない)手軽に移動できる交通手段があることが気に入っています。日本の交通システムは世界有数のシステムだと思います。

Q:日本に住んで,驚いたことや興味深いことは何ですか?

多くの海外メディアは,東京にフォーカスを当てがちですが,東京だけが日本を象徴しているわけではありません。東京は日本のほんの一部でしかありません。本当の日本を知るには,日本に住んで実際に日本の生活を体験するのがベストな方法だと思います。

Q:日本での生活で最も難しいことは何ですか?

日本人の友達を作ることです。私が日本で知り合った日本人の友達はみんな海外で暮らした経験があり,「外国人」として生活することへの理解があることから,日本で暮らす外国人にも寛容です。ただ,そういった経験がない人と知り合い,親しくなる機会はなかなかありません。

Q:日本で暮らす外国人にとってより暮らしやすい国となるために,日本人はどんなことをしたらいいと思いますか?

大きな病院では,英語による診断や治療が受けられるようになればと思います。特に複雑な手術の場合は,英語が流暢に話せる医療従事者がいて欲しいと思います。また,店の店員さんは私と話す時に敬語ではなく,むしろ「やさしい日本語」で話しかけてくれれば,私のような外国人でも理解しやすいし,助かります。

Q:将来の目標は何ですか?

2階建ての家を持ちたいです。1階にはイングリッシュカフェをオープンし,2階は妻と私の居住スペースにします。庭で妻が花の栽培やフラワーアレンジメントをしたり,カフェは日本の学生や大人たちが英会話を練習する場としても活用してもらいたいと思っています。

Q:呉市で暮らす外国人として,市や地域の人にお願いしたいことはありますか?

大雨などの避難情報(と思われる)お知らせが,防災無線をとおしてアナウンスされますが,何を言っているのかわかりません。日本語自体を理解するのが難しいのに加えて,エコーがかかっているため,日本語能力試験1級を持っている友人ですら聞き取れないと言っています。気象情報や避難情報など,命に係わる情報発信については,みんなに伝わりやすい工夫があってもいいのかなと思います。

Q:今後日本で暮らす予定の外国人へメッセージはありますか?

日本での生活は大変なこともあり,カルチャーショックに見舞われることもあると思います。例えるなら,上りと下りを繰り返すジェットコースターに乗るような感覚でしょうか。でも,私は日本に来るという決断は後悔したことは一度もありません。あなたもきっと気に入ると思います。


今回初めて私と同じカナダ出身のマークさんにインタビューしました。カナダの魅力は皆さんに届きましたか?皆さん,是非一度多文化共生が進んでいるカナダに行ってみてください。そして,マークさんの夢が叶いますように!(エミリー)

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