アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~王 丹 さん 姜 紅奼さん(中国出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。今回は中国人ママクラブのメンバーに会いに行ってきました。「中国人ママクラブ」とはどんなグループで,どんな活動をしているのでしょうか?そして今後の活動の目標などをアレコレ聞かせていただきました。【インタビュー回答日:12月21日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
王  丹(おう だん) さん(中国 東北出身 在日14年)写真左
姜 紅奼(きょう こうた) さん(中国 東北出身 在日16年)写真右
母語:中国語
好きな日本の有名人:【王】乙武 洋匡 【姜】志村 けん

今回は,中国人ママクラブのメンバーが多く集う日本語教室「せかいの花2018~」(毎週水曜日 10:00~広まちづくりセンターにて開催)にお邪魔し,見学させていただきながらお話を聞きました。

Q:中国人ママクラブとはどんなグループですか?

呉市で暮らす中国のお母さんの助け合いグループで,次のようなことをしています。
・地域の人しか知らない情報のシェア ・子育ての悩みの共有
・お母さん同士が互いの精神的な支えとなる。
・日本の生活のさまざまな悩み(子どものことや,学校のこと)を母語(中国語)で相談

Q:中国人ママクラブを立ちあげようと思ったきっかけを教えてください。

私は王さんより前から呉に住んでいますが,その時から友達の友達や,地域で知り合った中国出身のお母さんたちとはつながりがあり,すでにグループはありました。
私が呉に来たばかりのころ,友達がいなくてさびしい思いをしていたときに,偶然中国出身のお母さんと公園で知り合ったことをきっかけに,そのグループを知りました。これだけお互いを支え合っているグループなら,もっといろんなことができると思い,子育てサークル「中国人ママクラブ」として呉市の子育て支援課に登録しました。(https://kure-kosodate.com/map/ctg/circle/)

Q:11月に岡山で開催された「多文化共生フォーラム2022in中国四国」では,中国人ママクラブの活動内容や今後の目標について,分科会で発表されました。そのときの感想を教えてください。

発表に向けて,たくさんの方に支えていただきました。オンラインミーティングではいろいろ意見をいただき,資料や原稿は修正なども手伝っていただいたおかげでとても良いものになりました。でも本番では緊張しました。また,意外だったのは来場者の中には東京など遠方から来られた方が多くいたことです。国際交流や多文化共生の活動をされている方から質問もたくさんいただきました。

Q:どんな質問がありましたか?

「在住外国人に対する差別をどうすればなくすことができるか」,といった質問がありました。この先も差別や子どもたちへのいじめは残念ながらなくならないと思います。であれば,私たちは外国人であることを隠そうとせず,もっと表に出すべきだと思います。私たちの活動を見て知ってもらうことで,子どもたちも自らのルーツに誇りをもつことができます。
子どもたちは母親たちが頑張って活動する姿を肌で感じることで,お母さんへの感謝の気持ちが芽生えます。また,自分には他の子どもたちにはないものを持っている(中国語が話せるとか)という自信につながっていくと思っています。なので,私たちの活動を他の国の人も含むもっと多くの人に知ってもらって,さらに活動の範囲を広げたいと思います。

Q:王さんは呉市以外でも生活した経験から,呉市にもあったらな…と思うものはありますか?

呉に来る前は,大阪のとある市に住んでいました。第二子を妊娠したとき,市役所の人が自宅訪問してくださり,上の子を幼稚園で遊ばせてくれたり,他の妊婦さんと知り合う場を作ったりしてくれました。また,出産前からお米やタオルセットや,好きな物を選べるカタログギフトをプレゼントしてもらったりと嬉しいことがたくさんあり,「ここなら安心して出産できる」と思いました。(実際の出産は呉に転入後でした。)外国人にとって異国での出産は,日本人の妊婦さん以上に不安だと思うので,呉市もこういった取り組みが充実すればいいなと思います。

Q:姜さんは,料理による交流で出会いがあったのではないかと思いますが,印象に残るエピソードなどあれば教えてください。また,他国の料理で興味のあるものがあれば教えてください。

私は日本に来てたくさんの人に助けてもらったので,その人たちへの恩返しの意味も込めて自分の故郷の味を披露したかったです。実は料理は日本に来て本格的に始めたのですが,初めての料理教室のときは準備段階からとても緊張しました。でも,それを通して地域の人と交流し,子どもと楽しめる場所や地域の人しか知らない情報をたくさん教わり,得るものの大きさを知りました。他国の料理では,タイ料理に興味があります。国際交流センターで「タイ料理教室」があったら参加したいです!

Q:おふたりにとって,中国人ママクラブはどんな存在ですか?

実家のような存在です。皆呉には親や兄弟などの身内がいないので,お互いがそれぞれの家族のように,みんなが親身になって互いの話を聞いてくれます。
みんなが家族みたいです。困ったことがあれば相談したり,誰かの体調が悪くなればご飯を作って差し入れたり,それぞれが自分の得意なことでお互いをサポートしています。みんなお母さんなので,家族のことで同じようなストレスがあります。そのストレスを発散できる場でもあります。


おふたりのお話を聞いていると,メンバー誰一人も欠けてはならない強い絆のようなものを感じました。日本人同士でもそんなに強固に支え合う関係性を築いている人はそんなにいないかも,となんだか羨ましく思いました。これからの中国人ママクラブの活動にも注目していきたいと思います。2月19日(日)開催の「第20回国際交流フェスタinくれ」では,王さん,姜さんが中国人ママクラブの活動紹介や今後の目標などをステージでより詳しくお話ししてくださいます。この続きはぜひ国際交流フェスタの会場でライブで聞いていただきたいと思います!

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