アレも聞きたい,コレも聞きたい! ~ガンチメグ・ナムーンバヤルさん(モンゴル出身)編~

「アレも聞きたい,コレも聞きたい!」では,呉市で暮らす外国人インタビューをお届けします。春,出会いと別れの季節となりました。今年も呉高専(呉工業高等専門学校)にお邪魔し,3月に巣立っていく留学生に会いに行ってきました。【インタビュー回答日:2月22日】

♪♪ 今回のゲスト ♪♪
ガンチメグ・ナムーンバヤルさん(22)【愛称:ナムカ
呉工業高等専門学校 電気情報工学科5年生
出身:モンゴル・ウランバートル
母語:モンゴル語
好きな日本の有名人:ヨビノりこう,さがらごうち
(いずれもYouTuber)
好きな日本の食べ物:寿司,とんこつラーメン

Q:3年間の呉高専での生活が間もなく終わろうとしていますが,今の気持ちを聞かせてください。
日本に来て最初の1年間は,東京の日本語学校に通いながら友達と生活していたので,友達と離れて一人呉高専に来るのは不安でした。また,呉に来たばかりの頃は世界中がコロナ禍に突入した時期でもあったので,学生同士の交流事業もない中,クラスメイトとどういう風に話したらいいのか最初は分からず,雰囲気になじむことができませんでした。でも今年になってコロナの影響が少しずつおさまり,学内でのイベントも再開され,研究室の先生や先輩,たった4人しかいないクラスメイトの女の子同士で仲良くなることができ,充実した時間を過ごすことができました。振り返ってみれば長いようで短い3年間だったと思います。

Q:呉に初めて呉に来た時の呉の印象を教えてください。
東京で日本語学校に通っていた2018年の11月ごろ,呉高専に留学することが決まりました。それから呉について自分で調べたりしましたが,インターネットや日本語学校の先生の情報によると,「軍港」「戦争」といったイメージが強かったです。そしてアニメ「この世界の片隅に」を見て,「こんなところなんだな」と想像したりしていました。でも実際呉に来てみると,自然がたくさんあるのにものすごく田舎で不便なわけではなく,生活しやすいところでした。モンゴルには海がないので,海はすぐ隣にあってステキだと思いました。休みの日は長浜のビーチまで(呉高専から)走って夕日をただ眺めたり,山登りをしたり,自然の風景をたくさん楽しむことができました。

Q:日本で暮らし始めたころ,何か困ったことはありましたか?
東京の日本語学校にはモンゴル人の先輩がたくさんいてコミュニティもあり,母語を話す相手に困ることがなかったので,外国で一人で暮らしているという感覚がなかったのですが,呉に来て「外国で一人で暮らす」という感覚を味わいました。東京では,日本語学校の先生以外の日本人とコミュニケーションをとる機会がなかったので,呉高専に来て初めて「日本人」とコミュニケーションをとることの難しさを実感しました。

ナムカちゃんは当初から日本語が上手だったので,話すことには困らなかったのでは?
日本語のスキルとコミュニケーションスキルは必ずしも比例しないと思います。日本語による会話や読み書きに問題がなくても,友達と冗談を言い合ったり,何気ない会話をする上で語学スキル以上のものが必要で,それがとても難しかったです。逆に日本語がナチュラルに話せてしまうことで,「顔も日本人ぽいし,もう日本人じゃん」と思われ,考え方も日本人のものと同じだと無意識に勘違いや期待をされて(ハードルが上がり)より難しさを感じました。それでも,私のことを外国人だと認識して付き合ってくれて,教えてくれたクラスメイトに本当に感謝しています。

Q:3年間の留学生生活を経て,最も想い出に残っていることはなんですが?
研究室で良い先生,先輩,仲間に恵まれたことです。実験は大変でしたが研究室のみんなと一緒に乗り越えたと思います。そして,先日神田先生が留学生を長崎旅行に連れて行ってくれました。コロナであまり旅行ができなかったので,最後に良い思い出になりました。

Q:卒業後の進路は?呉高専で学んだことを将来どのように活かしていきたいですか?
東北大学(仙台市)電気情報物理工学科の3年生に編入し,バイオ・医工学(MRIやレーザーによる癌治療器具,人工心臓など,電気工学の医療分野への応用を目指す)を専攻します。大学卒業後は,できれば大学院に進み可能な限り学びを続けたいと思っています。呉高専で電気の基礎はしっかり学んだので,学んだことを医療に活かしていきたいです。呉高専では実験が充実していて,わからないこと疑問に思ったことがあれば,とりあえず実験してみる,手を動かしてみることを学びました。「とにかくやってみる」そんな気持ちで今後も色々なことに取り組みたいです。また,研究室の先生はとても思いやりのある方で,素晴らしい出会いだったと思います。先生にはこれまでたくさん助けてもらいました。今後は自分が後輩を助ける側になりたいです。

Q:10年後の自分にメッセージをお願いします。
就職して子どもがいるかもしれません。とても忙しく大変は日々を送っていると思いますが,これまでも数々の困難を乗り越えてきたのだから,その気持ちを忘れず乗り越えていってください。そして,家族の世話など仕事以外にも大変なことが多いと思いますが,自分のこと,自分のやりたいことを見失わず,ずっと続けていってください。


ナムカさんは,在呉期間中に国際交流フェスタのイベントの一環で呉氏とよさこいを踊ってくれたり,とらいあんぐるの異文化紹介コーナー「世界の国からこんにちは!」に寄稿してくれたりと,これまで呉市国際交流協会事業にも積極的に参加してくれました。ありがとうございました!大学に入っても呉高専と同じような仲間ができるかな,と心配ごとをポロリと漏らしていましたが,とってもチャーミングで前向きな考えを持つナムカさんなので,きっとすぐ新しい仲間ができることと
思います。4月から新生活が始まりますが,時々は呉のことも思い出してくださいね。そして,いつか懐かしい呉に遊びにきてください。

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